「うちはLINE公式アカウントを運用しているから、SMSはいらない」——そう考えている経営者や担当者は多いでしょう。確かにLINEは国内最大のメッセージプラットフォームであり、リッチな表現や双方向コミュニケーションが可能な優れたツールです。しかし、実際にSMSとLINEを「二刀流」で使い分けている企業が増えています。なぜLINEだけでは足りないのか、その理由を解説します。
LINEの強みと弱みを正直に整理する
LINEは強力なツールです。画像・動画・クーポン・ボタンなどリッチなコンテンツが送れ、ブロックされるまではメッセージが届きます。友だち登録者との関係構築には非常に有効です。
ただし、LINEには無視できない弱点があります。
弱点① 「友だち登録」が前提
LINEでメッセージを送るには、顧客がLINE公式アカウントを友だち登録している必要があります。登録してもらうこと自体にハードルがあり、すべての顧客にリーチできるわけではありません。特に高齢者やLINEをあまり使わない層には届きません。
弱点② ブロック率が高い
LINEは簡単にブロックできます。配信頻度が高い・内容が自分に関係ないと感じた瞬間、ワンタップでブロックされます。一度ブロックされると、そのユーザーへはメッセージが届かなくなります。
弱点③ プラットフォームへの依存リスク
LINE側の仕様変更・料金改定・アルゴリズム変更の影響を直接受けます。過去にもメッセージ配信のAPI仕様変更などで、多くの企業が対応に追われた実績があります。
SMSが補完する「LINEの死角」
SMSはLINEとは異なる強みを持っています。
強み① アプリ不要・登録不要で届く
SMSは電話番号さえあれば送れます。LINEを使っていない顧客、友だち登録していない顧客にも確実にリーチできます。特に50代以上の顧客層が多い業種では、SMSのほうが届く範囲が広いことがよくあります。
強み② 開封率・到達率が高い
SMSはブロックされにくく、開封率90%以上を維持できます。LINEでブロックされてしまった顧客への再接触手段としても機能します。
強み③ プラットフォームに依存しない自社資産
電話番号は企業が自社で保有できるファーストパーティデータです。LINEという外部プラットフォームの仕様に左右されず、安定した顧客接点を維持できます。
二刀流の使い分け例
LINEとSMSは「競合」ではなく「補完」の関係です。賢い企業はそれぞれの強みを使い分けています。
LINEが向いている用途
・リッチな販促コンテンツ(画像・クーポン・動画)
・ブランドストーリーの発信
・チャットボットによる問い合わせ対応
・友だち登録済みのロイヤル顧客へのコミュニケーション
SMSが向いている用途
・予約確認・リマインド通知
・本人確認・認証コード
・LINE未登録・ブロック済み顧客への連絡
・重要なお知らせ(確実に届けたい情報)
・高齢者・スマホ非ヘビーユーザーへのリーチ
実際の活用事例
美容サロンの場合
LINEでは月1回のキャンペーン告知やスタイリスト紹介などのコンテンツを配信し、予約リマインドとドタキャン防止にはSMSを活用。LINE未登録の顧客にもSMSで再来店を促す。
医療クリニックの場合
患者との日常コミュニケーションはLINEで、診察前日のリマインドや検査結果の準備完了通知はSMSで送信。特に高齢患者にはSMSのみで対応。
まとめ:「どちらか」ではなく「どちらも」が正解
LINEとSMSは、それぞれ異なる顧客層・異なるシーンに強みを持つ補完的なツールです。「LINEがあればSMSは不要」という発想は、リーチできない顧客層を見逃すリスクをはらんでいます。二刀流で使い分けることで、あらゆる顧客に確実にアプローチできる強固な顧客接点を構築できます。