タクシー配車予約とSMS(海外活用事例)

シンガポールの自動車事情

シンガポールは、下記のような理由で自動車を所有できるのがごく一部の富裕層に限られている国です。

  • 車を自国で製造していないため自動車を所有する際は全て輸入車となるが、自動車の関
    税がとても高い(日本車でも3~4倍の購入価格となることもある)
  • 車両購入権(COE)の約60,000シンガポールドル(※1)が必要
  • 車両購入権(COE)の有効期限が10年。切れた場合は更新するか、乗っている車を廃車しなければならない
  • 車両購入権(COE)意外にも、登録料、道路税などの支払が高額

その背景は、シンガポールの国土面積にあります。シンガポールは、昨今の急速な経済成長を遂げて数多くのグローバル企業の拠点を有しており、現在では日本よりも高い一人当たりのGDPを誇る経済大国となっています。一方で国土は淡路島と同じくらいのとても狭い国です。自動車が増えてしまえば車で国中が車であふれかえる事態となります。交通渋滞の慢性化とそれに伴う経済活動の停滞といった社会問題を軽減するために、国家として自動車の台数を制限していく必要があるのです。そんなシンガポールにおいて欠かせないのが、Mass Rapid Transit (MRT=電車)とタクシーの存在です。MRTは、南北線、東西線、北東線、環状線の4路線で構成されていて利便性も高く、運行間隔も短いことから、シンガポールに住む人々の足として運行されています。タクシーは、初乗り料金3シンガポールドル(※2)と日本の半額以下となっており、観光客だけでなく自動車を持たない住民にとっても主要な交通手段となっています。います。ベトナムなどのようにぼったくり行為を行うタクシー会社も少なく、安全性が高いと言われています。ちなみに、シンガポールのバスは停留所、目的地などが分かりにくい等の問題から使いこなすには難易度が高く、特に観光客にとってはMRTとタクシーを用いた移動を行うことが一般的になっています。

SMSを用いた配車・予約 in シンガポール -混雑を避けたタクシー乗車に-

主要な交通手段となっているタクシーですが、流しのタクシーをつかまえることに難航する場合も多く、ホテルや主要施設のタクシー乗り場や街中のタクシースタンドを利用するケースが一般的です。しかし、混雑時や雨天時などにおいては一時間以上待たなければならないこともしばしばあります。そこで便利なのがSMSを用いた配車予約です。シンガポールの場合、全ての建物に郵便番号が割り当てられており、郵便番号だけで場所を特定することができます。この郵便番号をSMSで送信することでタクシーを配車することが可能です。

タクシー配車アプリ

世界のタクシー業界を揺るがす存在となりつつあるUber(本社:アメリカ)をはじめとし、タクシーの配車アプリサービスは提供される数も利用者も増加しています。それは、シンガポールも例外ではありません。シンガポールのタクシー配車アプリサービスは、タクシー会社が管理、運営するサービスと、サードパーティーが提供するサービスとに大分され、それぞれ普及しています。(いずれも利用時には、SMS予約同様、約3シンガポールドルが追加料金が必要です)

タクシー会社が管理、運営する配車アプリサービス

  • ComfortDelGro Taxi Booking(コンフォートタクシー社の公式アプリ)
  • SMRT Book a Taxi(SMRT社の公式アプリ)
  • TransCab (TransCab社の公式アプリ)

サードパーティーが提供する配車アプリサービス

  • Uber(アメリカ本社)
  • GrabTaxi(マレーシア本社)
  • Easy taxi(ブラジル本社)
  • Halio(イギリス本社)

しかし、タクシー会社が管理、運営する配車アプリサービスの場合、上予約がそれぞれの会社の所有するタクシーに限られるため、タクシーに乗るまでに時間がかかってしまう傾向にあります。
また、サードパーティーが提供する配車アプリサービスの場合、それらに対してレギュレーションを意図する動きとして、2015年4月、タクシー配車アプリの運用を規制する法案が提出されています。(※6)
内容としては、

  • サービスを提供するには、Land Transport Authority (LTA:陸上交通庁)の許可が必要。(有効期限は3年間)
  • 派遣できるのは、職業ライセンスを付与されたタクシーと運転手のみ
    利用者が支払わなければならない料金を前もって知らせること(料金のつりあげ行為も禁止)
  • 予約時に、目的地を必須項目にしないこと(乗車拒否を防止するため)
  • カスタマーサポートを提供すること

などがあります。いずれのレギュレーションも職業ライセンスを持たない運転手の紹介や、ぼったくり行為、目的地をふまえた上での乗車拒否など、利用者側のトラブルが頻発していたことがうかがえます。
また、各アプリはいずれも利用者の現在地確認にGPSを用いるケースがほとんどですが、シンガポールの場合は郵便番号を利用するSMSの方がより正確に場所を確認できます。こうした背景もあり、SMSによる配信予約の利用者が多いのがシンガポールの特徴と言えます。

ぼったくりの多いベトナムのタクシー

ベトナムは、世界有数のバイク大国です。首都であるホーチミン市の道路全体を埋め尽くすように走るバイクの群れは、ベトナムの代名詞として取り上げられることもあります。ベトナムの観光において主な交通手段はバスやタクシーですが、バスはバイクの粗い運転がもたらす渋滞によって運行時間はあてにならない状態です。そのため特に観光客にとっては、重要な交通手段はタクシーとなります。初乗り料金が11,000ドン~12,000ドン(※1)とベトナムのタクシーは日本と比較して価格も安く台数も多いため、利用しやすい交通手段となります。
その一方で、過剰請求・ぼったくりを行うタクシーが多いということには細心の注意が必要です。料金メーターをつけずに言い値を請求してくる、料金メーターを改造して早く回るようにしているわざと迂回して料金を釣り上げる、等のぼったくり行為は、後を絶たない状態です。特に世界各国においてもどの国民よりも騙されやすいと言われている日本人観光客。こうしたぼったくりタクシーの被害から避けるための手段は、しっかり持っておきたいものです。ぼったくり対策で肝心なのは、タクシーの選び方です。特に個人タクシーや、メーターのついていないタクシーは危険だと言われています。ベトナムで比較的信頼度の高いタクシー会社は、MAI LINH(マイリンタクシー)とVINASUN(ビナサンタクシー)の2社で、この2社のタクシーを選べば大きな問題にはなる可能性は低いと言われています。しかし、2社に似せた名前や色で巧みに乗せようとするタクシーもいて、一筋縄ではいかないのが実状です。そんな対策の一つになるのが、タクシーの配車予約アプリです。

タクシー配車アプリとSMS in ベトナム -混雑を避けたタクシー乗車に-

ベトナムでも、Uber(本社:アメリカ)やGrabTaxi(マレーシア本社)をはじめとしたタクシー配車アプリの利用が進んでおり、2015年4月時点でUberが提供する世界55か国200都市以上の中でトップの成長率であることも報じられています。(※2)これらのアプリは利用者が所有するスマートフォンに対象のアプリをダウンロードし、SMSによる本人認証を行うことで容易に使用できるようになります。一方でシンガポールにおける法的規制と同様、ベトナムでも2014年10月以降からタクシー配車アプリに対する規制の動きがあります。正式に認可を得ずに営業を行っていることやタクシーメーターが搭載されていないタクシーも多いことが主な理由で、既存業者からの反発も強いのが実状です。
そこで注目なのは、Uberに対抗する形で合法的に提供されているアプリの存在です。2014年12月、ホーチミン市交通運輸局は信頼の高い2社であるマイリンタクシーとビナサンタクシーとの連携の元、スマートフォン向けタクシー配車アプリである「Live taxi」を発表しました。同アプリをスマートフォンで起動すると、GPSにより利用者の現在位置が認識され、近くにいるタクシーが表示される仕組みです。このアプリのポイントは2点あります。一つ目は、このサービスがマイリンタクシーとビナサンタクシーという信頼度の高い会社により提供されていることです。(2014年12月時点)個人タクシーを避けたり、2社の偽タクシーを判別したりといった手間をかけず、2社のタクシーに乗車することができます。ニつ目は、運賃の概算情報が利用者のSMSに送信されることです。乗車前に概算料金と最短経路が通知されることで、利用者が知らず知らずのうちに高額請求されるようなリスクを軽減させてくれます。