SMSとMMS
携帯電話のメッセージ送受信手段としてSMS(ショートメッセージサービス)とMMS(マルティメディアメッセージサービス)があります。SMSとは マルチメディアメッセージングサービス – Wikipedia
2つの大きな違いは、SMSが文字メッセージだけを送受信するのにたいして、MMSは画像ファイルなど大きいサイズのメッセージを扱う規格となっている点です。
日本においては、キャリアメールが長くつかわれています。MMSとキャリアメールは仕組みはほぼ似ており、キャリアメールはMMSの日本における亜流の様なものと言えます。
日本における対応状況
SMSは日本でも海外でも、全ての携帯電話に標準の機能として対応されています。また、キャリア間での送受信についても対応が完了しています。
MMSの場合、スマートフォンの普及により、端末が国際対応されたものが多くなってきてようやく規格が統一されてきているのですが、ことMMSに関しては、NTT Docomo(ドコモメール)が対応していない状況で、今後も対応の予定は無いようです。
そのため、iphoneでは、ドコモ以外のキャリアメールは「メッセージ」アプリでMMSとして受信出来るますが、ドコモは「メール」アプリで通常のemailとしてしか受信できないという、ややこしい状態になっています。
また、最近大きくシェアを伸ばしているMVNO(格安SIM)に関しては、MMSに対応しているのは皆無です。
そのため、日本ではビジネス用途でMMS配信はなかなか成立しにくい状況にあります。
送信費用
送信にかかる費用は、SMSが3円(電話回線を使用するため)に対して、MMSはパケット回線のため、パケット通信料となります。
着信の即時性
MMSもSMS同様、電話回線を使用した着信通知の仕組みがあるため、即時の着信が可能な点は同じです。これは、キャリアメールも同様です。
MMSは到達を即時に行うために、着信側に特殊なSMSを送信し、MMSの着信を通知します。これをうけて、端末はMMSの受信を開始するという仕組みです。
これがMMSとemailの違いになります。
emailの場合は電話回線の通信は一切発生しません。端末から取りに行くまではメールの着信に気づくことは出来ません。もっとも最近のスマホのアプリは同期やプッシュ通知などの方法で即時配信を実現していますので、あまり不便を感じることは少なくなっています。
宛先指定方法
また、宛先にはSMSが電話番号を使用するのに対し、MMSはキャリアが発行したメールアドレスを使用します。MMSではこのメールアドレスと電話番号をAPN側で変換し、到達SMSを送信するという仕組みになっています。
そのため、emailではwifi通信で送受信が可能ですが、MMSでは、基本的にはキャリアのデータ通信での送受信を必須としています。
受信にかかる費用
また、受信時の料金は、SMSが無料であるのに対し、MMSは受信時にパケット通信料が必要となります。
スマートフォンが一般化し、パケット通信料は安価になっていますが、以前はこの受信料も結構な金額だった時期があります。
また、少額とはいえMMSの場合、受信者にパケット通信の費用がかかるため、大手キャリアは顧客への通知には今でもSMSを使用しています。