宿泊業界にとって重要な「no-show」対策

ノーショーとは

「no-show」とは、英語で「約束の場所に現れない人」という意味です。宿泊業界だけではなく、広く予約や約束をしたレッスン等の時間に現れない迷惑なお客のことを指します。

ドタキャンも似たようなものですが、予約の日時の直前にキャンセルをする形態です。

宿泊業界にとっていは、この「no-show」対策が非常に重要になってきます。予約は入っているのに、実際に宿泊客が現れない場合、他の宿泊客を受け入れるにしても、チェックインの時間が過ぎているという場合にはそれもできません。

当日キャンセルの違い

当日キャンセルとノーショーは何が違うのでしょうか。

当日キャンセルは、予約当日にお客側からキャンセルの連絡をすることですので、キャンセルの発生や理由・状況を確認できるため、店舗側は予約がなくなった分の穴埋めに着手できます。

一方、ノーショーではお客の状況がわからないため、店舗側からは一方的に予約を取り消せません。そのため、別の宿泊客を募集することができませんので、コストのみがかかり、売り上げの機会損失となってしまします。

業務妨害となり犯罪になることも

ノーショーを行った結果、刑事事件として立件される場合もあります。

居酒屋に団体予約を入れて、無断キャンセルした59歳の男が2019年11月11日、警視庁丸の内署に偽計業務妨害の疑いで逮捕された。東京・有楽町の居酒屋『のど黒屋 銀座数寄屋橋店』(閉店)に17人分、合計22万1000円分を虚偽に予約し、営業を妨害した疑い。飲食店にとって無断キャンセル(No show)は死活問題だが、逮捕に至るのは珍しい。

無断キャンセル「No show」で59歳の男を逮捕。飲食店には死活問題、泣き寝入りせずに行動を | Foodist Media by 飲食店.COM (inshokuten.com)

ホテルや旅館等、宿泊業界におけるノーショーの実態

ノーショウは宿泊業界における悩みの種

観光経済新聞社がホテルや旅館に対しアンケートを実施したところ、ほとんどの店舗で年に数件~十数件のノーショーが起きていると判明しました。この件数は、キャンセル料や違約金が回収できない場合(予約サイトの経由ではなく直接の予約)であると思われます。

ノーショーによる被害額は、宿泊業界全体で年間に2,000億円以上ともいわれており、お客と連絡が取れず、キャンセル費の徴収すらままならない場合もあります。なかには損害を回復すべく、お客に対し訴訟を起こす店舗もありますが、被害額が少なく、法的手段にメリットがない場合がほとんどであると考えれらます。

なぜノーショーが発生するのか

予約客が意図的にノーショーを行う場合は、迷惑行為であり犯罪になりえますので、多くのノーショーはそのようなものではありません。では、どのような原因でノーショーが発生するのでしょうか。

予約したことを忘れていた

ノーショーの原因の一つに、うっかり宿泊の予約を忘れ、当日に無断キャンセルをしてしまうケースが挙げられます。キャンセルするつもりはあっても忘れてしまう場合もあれば、店舗を予約したことすら覚えていない場合もあります。このようなケースでは、直前に予約のリマインドなどをすることが有効となります。

予約当日に急に都合が悪くなり、キャンセルしない

当日の体調不良や予期せぬ事故も、ノーショーを引き起こします。宿泊施設に連絡を入れたい気持ちがあっても、状況しだいでは連絡することが困難かもしれません。そのような場合に備えて、容易にキャンセルの連絡をできるようにハード・ソフト面でことが有効です。

複数の施設を重複して予約していたがキャンセルを忘れた

予定が決まる前に複数の施設に予約をし、いくつかの予約をキャンセルしないといけないのに、予約をキャンセルするのを忘れてしまった場合、すべての施設に行くことはできませんので、ノーショーとなります。また、予約システムの不備や担当者のミスによって複数の予約をブッキングしてしまうといったことも考えられます。

このようなことの無いように、直前に予約のリマインドなどをすることが有効となります。

ノーショーによる損害について

ノーショーの被害を受けると、宿泊施設は売上機会の損失を被ります。

売上の損失

予約が入っているにも関わらず宿泊客が現れなかった場合、その分の売上が減少してしまいます。

当日キャンセルの場合と異なり、キャンセルの連絡があるまでは、店舗側はほかの予約を受け付けられません。当日別のお客に来てもらっても、キャンセルの有無がわからなければお断りすることになります。

人件費・材料費等のコスト

予約に対応するために、職員や食材等の材料を準備しますが、ノーショーとなった場合、その分の売り上げが上がりませんので、その利用者ように準備したもののコストがすべて無駄になってしまいます。

廃棄コスト

飲食店や、ホテルや旅館で食事付プランを予約した場合、料理の廃棄代もかかってしまいます。予約が無断キャンセルされるかは最後までわからないため、ほとんどの店舗は料理の下準備を始めています。使いまわせる食材ならば融通を利かせられる可能性がありますが、保管が難しい生ものなどは大量に廃棄しなければなりません。廃棄するごみは事業ごみとなりますので、廃棄にもコストがかかってきます。

ノーショウ対策の予約リマインダーにSMSを活用するメリット

ノーショーを防ぐには、携帯電話へのSMS(ショートメッセージサービス)送信が便利です。

携帯電話番号へ送れる

SMSは携帯番号宛にメッセージを送ることができます。ガラケー・スマートフォンの区別なく搭載された機能で、電話番号さえわかればお客個人の携帯につながり、相手が電話に出ない場合もメッセージを残すことが可能です。

メールアドレスは収集が難しいのですが、携帯電話については、緊急連絡先として収集する場合がほとんどですので、実現可能な手段です。

内容を確認してもらえる可能性が高い

SMSはメールと比較して、確認してもらえる可能性が高いという特徴があります。

メールの場合は、ほかのメールに埋もれて気付かない可能性があります。また、迷惑メールフォルダに分類されるリスクもあります。

一方、SMSならば、メッセージを受け取る頻度自体が少なく、迷惑メールフォルダもありません。そのため大量のメールに埋もれることもなく、メッセージが目に留まる可能性が高まります。

SMSの送信手段として様々なサービスがありますが、まずは手軽に始められるアプリのサービスがおすすめ